「一生の仕事がしたいと思い、
全くの未経験でイタリアに。」
- というとカッコいいですが海外で生活したいし、ジュエリー好きだからジュエリーメイキングを学んで作ったものが売れればいいかなという軽い気持ちで行きました。何度がイタリアに滞在したことがあったので不安はなかったです。
━━━何言ってるかわからず
間違えてばかりの3か月。
- 道具の名前とか最低限授業に必要な単語など調べて通い始めたものの、指輪ひとつ作ったことがない。全くの未経験だったため失敗ばかり。でも3か月くらい経ったころから急にいろいろ出来るように。壁を越えるってこういうことかな?それからは作ることに没頭し、時間があっという間に過ぎていきました。

━━━Come mai ? 何故!!
- 基礎を学んだあとは自由に作りたいものを制作できる。やっと楽しくなってきた ♪ それで、買ったばかりの大きな白蝶貝を彫っちゃった!「come maーーーi !!!」何やってんの!って先生にとめられました(笑) でもイタリア語ワカラナイと言い作業続行。彫りたかったんです。
━━━あの時、素直にやめていたら今は無かった。
- だから天然石の彫刻はほぼ独学です。もともと彫刻も好きだったので勝手に彫り進んでいました。
- 本当はフィレンツェ彫りに興味があったのですが他に人がやっていないことを自分でやろうと思いました。
━━━大金をドブに捨てたかも。
- 周りの人は帰国したらブランド立ち上げると言っていたけれど、私に出来るわけない。帰国を前にしてこれを仕事にしているビジョンが全く見えず、まっ白なまま。大金を無駄にしたかもしれない・・・。落ち込みながら帰国するためにローマに移動する前日まで学校で制作して、出来上がった最後のリングを手に、外で眺めていた時。
━━━ミラクルな出会いが。
- 偶然通りかかった2人のイタリア人が寄ってきてリングを見せてほしいと来た。すぐに雑誌に載っていたデザイナーと気づき、私のリングを凝視しているので恥ずかしくなり、下手だから見ないで欲しいと言ったところ下手でも問題ない。下手だったら上手い職人に任せればいい。でもセンスはそうはいかない。センスは持って生まれるものだからと、顔をあげてそういってくれました。そこで初めて私の後ろにある建物が学校だと気づき「君学生?頑張って!」っと言って去っていきました。
━━━そして今。
- デザイナーに褒められたから嬉しいのではありません。
- 先生や友達以外の知らない人に「いいね」と言われたのが嬉しかったのです。周りの人は褒めてくれるけど、本当かな?これがもやもやの原因だったと気づきました。この一言で救わた気分になり、
- 納得することが出来たから最後のローマの2日間は思いっきり観光を楽しめたのです。
それから一生懸命働いて、師にも出会い、- 学びを続け、今ここにいます。